2006/6/24
FWの出来が勝負を決める!(かな?)
〜決勝トーナメント1回戦(6月24日開催分)について〜

 少し気を抜いてる間に、決勝トーナメントに入ってしまおうとしています。
 アップが遅くなりましたが、今日の分だけでも書いておきます。しかし、眠い…

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<ドイツ×スウェーデン>(6月24日 17:00)

 この試合のポイントは、FWの出来です。
 ドイツのクローゼ、ポドルスキー、スウェーデンのラーション+「?」。現在の調子は、よくお分かりのとおり、ドイツの2トップに分があります。

 FWというのは、調子が良ければどんな状況、どんな体勢でもシュートを打ちますし(しかも素早く)、調子が悪ければボールを止めてシュートコースを探してしまいます。その点、クローゼは4ゴールを決めてきたことで思いきりが良くなっていると思います。
 ドイツは開幕戦での凡戦を教訓に、ここ2試合でバラックからのロングパス、サイド攻撃と戦い方を整理しました。もちろん、それは2トップが決めてくれるだろうという期待感があるからに他ありません。得点力のあるバラックがそれほどゴール前へ出てこないのも、2トップへの信頼があるからでしょう。ドイツにとっては、最高の状態で決勝トーナメントを迎えることができそうです。

 スウェーデンもドイツと似て、ボールを奪ってからできる限り早くFWのラーションやイブラヒモビッチにボールを渡して、という形が得点パターンです。
 しかし、今大会はラーションへのマークがキツく、いい状態でボールをもらえていません。エースとなるべきイブラヒモビッチは動きが悪いばかりか(シーズン終盤は最悪でしたし)、第2戦で足の付け根を痛めて重要なイングランド戦を欠場。大事をとってのことでしょうが、1、2戦では精彩を欠いているだけに、かなり心配です。

 手数をかけてFWへボールを入れるケースが多いのも気になります。うまい選手ばかりですからボールは持てるのですが、攻撃が遅くなるという弊害もあるわけです。
 とりわけ、左サイドのリュングベリはドリブルを入れて相手ゴール前に迫ったり、サイドからクロスを入れようとしますから、攻撃が限定されやすく2トップへのマークはより厳しくなってしまいます。流れの中からゴールが奪えないのもそういう理由があるように思います。

 17時からのゲームという点も気になります。そこそこ蒸し暑いと思うので、カウンターの仕掛け合い、中盤の消耗戦になった場合、後半の運動量は勝負のカギを握るでしょう。
 その点でも、ドイツはいい状態だと思います。直前の代表合宿でドイツの気候に慣れて大会に入れたわけですから。

 そういうわけで、ドイツが勝利する可能性の方がより大きいです。そんな劣勢の中、スウェーデンがドイツに勝つには、バラックをどう抑えるか、左サイドバックのラームの攻撃参加を抑えられるか。このポイントを押さえる必要があります。
 バラックは相当キツくマークしないと簡単に2トップへのロングパスを出されてしまいます。もしバラックをマークできないならば、2トップへのマークを厳しくするしかないのですが、いずれにせよバラックが窮屈そうにプレーしていなければ、ドイツに中盤を制圧されるでしょう。
 また、サイドバックながら相手陣内の深くまで入ってくるラームの攻撃参加は、スウェーデンにとってはかなり厄介です。ラームの上がったスペースはシュバインシュタイガーがしっかりケアしてますから、スウェーデンにとっては攻略が難しいと言えます。

 考えれば考えるほどドイツに有利な状況しか出てこないわけですが、スウェーデンに勝機があるとすれば、イングランド戦で見せたアグレッシブなディフェンスを全面に出し、コーナーキックやフリーキックなどセットプレーからの得点というのが一番可能性を感じる攻撃でしょうか。残念ですが、それがスウェーデンの現実的な戦い方だと思います。
 いずれにせよ、スウェーデンの出来いかんでどうにでもなる試合でしょうね、クロスゲームになるかどうかは。

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<アルゼンチン×メキシコ>(6月24日 21:00)

 前評判の高かったメキシコは、正直調子が下降気味です。
 初戦のイランには逆転勝ちし、引き分けたアンゴラ戦も悪い試合ではありませんでした。しかし、アンゴラ戦は得点が取れた試合だったし、勝ち点3を奪える試合でした。勝てる試合を引き分けたりすると、どうしても運気は落ちるものです。しかも、勝ちに行ったポルトガル戦では結局攻め切れず、メンバーを入れ替えたポルトガル(デコを温存!)に力負け(結果は1-2でしたけど、思ったよりも差がありました)。

 その点、アルゼンチンは絶好調…と言いたいところですが、気になることがあります。一番運動量を要求され、負担がかかっているマスチェラーノ、マキシ・ロドリゲスが第3戦で休みを取れなかったことです。
 リケルメやらサビオラやら攻撃陣が注目されますが、今回のアルゼンチンの心臓はDFライン前で相手のチャンスの芽を摘み取るマスチェラーノですし、中盤での守備だけでなくゴール前まで上がってチャンスメイクをするマキシ・ロドリゲスです。
 この試合で勝てれば次は6月30日ですから、少し休養はできます。ただ、控え組が入ったオランダ戦での負担を考えれば、中3日でのメキシコ戦は思わぬ落とし穴(イエローカード、疲労からのケガなど)が待っている可能性も否定できません。

 ただ、それは穿った見方でアルゼンチンを見た場合のこと。ケガ人が出てきたのは気になりますが、オランダ戦でリザーブ組を出場させたことで、ゲームにフィットできる選手が増えました。ゴールを決められませんでしたが、テベス、メッシの調子は間違いなく良さそうです。
 おそらくアルゼンチンの多彩な攻撃バリエーションが物を言って勝利するでしょう。でも、今大会で1、2を争う攻撃的かつ魅力的なチームだけに、ここで敗退してもらっても困る、という願望もあるわけです(笑)