2005/2/13

なぜか、GENESIS。
(Genesis - Wind & Wuthering)

 昨年、仕事で1ヶ月くらい、1日中パソコンと向き合う日々があったのですが、その時、始終音楽を聴いて集中力を保っていました。音楽をまともに聴いていたのは中学2年から20歳前後までだったので、久々に、しかもまともに音楽に向き合った感じでした。
 その原因は、ステレオが壊れ気味でCDが再生できないことが多くなってきたこと。以来車でしか音楽を聴かない日々が続いていたのですが、そんな中で一発でかかったものもありました。GENESISの「THREE SIDE LIVE」です。

 このアルバムは、1980年にリリースされた「DUKE」発表後のツアーの模様をおさめたライブアルバムです。このアルバムは2枚組でしたが、その後アメリカでのリリースの際に、ヨーロッパで発表されたEP盤(新曲)を加えることになりました。2枚目のB面のライブ音源はこの時にカットされました。
 その後CDがポピュラーな存在となり、このライブアルバムもCD化されたのですが、CD化されたのはこのアメリカ盤でした。要は、ヨーロッパでリリースされたオリジナルではなかったわけで、ラストに入っているライブ音源は聴けなかったのです。

 その音源が、90年代にデジタルリマスターされた際に聴けるようになったとレコードコレクターズで知るや否や、区切りのいいところで仕事を中断し(夜の10時過ぎ(笑))、渋谷のタワーレコードに車を飛ばして行きました。血迷ってました(笑)
 そんなこんなで、結局GENESISのアルバムはほとんど揃えるハメに。HMVのオンラインストアーでたまたま1299円で安売りしていたのも大きな理由です(笑)

 今回はその中から「Wind & Wuthering」(1977年)を紹介したいと思います。
 このアルバムは印象が非常に地味で、GENESIS興味のあった時期ですら聴く気にもなれませんでした(今思えば、若気の至りってやつです)。
 プログレッシブ・ロックと言えば、PINK FLOYD、YES、KING CRIMSON、そしてGENESISなわけですが、GENESISはYESのようなテクニックで関心することはありません(ハデさがないという意味ですよ、誤解しないでください f(^_^;))。しかも、「GENESISは、Peter Gabriel在籍時のThe Lamb Lies Down On Broadwayまで」と言い切るファンもいます。Phil Collinsはどうもキワモノ扱いされている感じはあります。

 しかし、「A Trick Of The Tail」から「DUKE」までのアルバムは、最初から最後まで通して聴けるという意味で、非常に流れのいい作品です。Phil Collinsの声が好きだからかもしれませんが、この間にリリースされた2枚のライブアルバム「Seconds Out」「THREE SIDE LIVE」を聴く限り、Peter Gabrielボーカルの曲でのPhil Collinsのボーカルは完全にハマっています。
 アルバムを通して聴けば、あまりにも自然に曲が流れていくため、どこで切れているのか分からなくなります。曲名はよく覚えているボクでも、まったく曲名が気にならないほど自然な流れです。
 当時はレコードだったわけで、A面、B面という具合に流れが必ず切れていたわけですが、CD化された今日、通しで聴いても流れは最後まで切れない。それはPeter Gabriel脱退以降、「DUKE」まで続きます。

 さて、アルバムの方ですが、「Eleventh Earl Of Mar」からラストの「Afterglow」までの50分、あっという間に聴けてしまいます。これがプログレかと言われると「?」ですが、シングルの寄せ集めのようなアルバムが散乱している昨今、アルバムとしてのトータル性とか、曲の質はスゴいと思いますし、ジャンル関係なく良質の音楽であることに異論はないでしょう。
 特にラストの「Afterglow」。このバラードが好きでして。この曲は、「INVISIBLE TOUCH」ツアーでもライブのレパートリーとして入っていますが、一言で言えば「壮大」(笑)。こういう感じの曲って、ライブ映えするんですよね。
 曲調は違えど、Phil Collinsのソロシングル「Take Me Home」もこの類いの壮大な雰囲気があり、ソロライブ時の締めとして必ず演奏されています。

 GENESISと言えば、バリライトの大元締め。このバリライトを大々的にフューチャーし、世界的に広まるきっかけになったのが「INVISIBLE TOUCH」ツアー。その中でも、ライティングと曲の広がりを見事にマッチさせた演出の中で、ビッグヒットでもなかったこの曲をあえてフューチャーした理由も分かります(って、勝手な想像ですが)。
 いずれにせよ、Phil Collinsのソロが好きな人はこの曲が気に入るはずです。一度聴いてみてもいいのでは。