2005/9/16

ワンパターンは「ビッグネーム」の証明
〜 Bon Jovi - Have A Nice Day 〜

 まず、はっきりさせておきます。
 Bon Joviはかなり好きです。ワールドツアーで日本にやって来れば、毎回必ず足を運びます。そして、声が枯れて帰宅します(笑)

 ただし、アルバムについては、「Keep The Faith」を最後にそれほど聴いていません。
 20代以降、自分の音楽の聴き方が浅くなったことと、自分がBon Joviに求めている音と彼らの作る曲にギャップが出てきたことがその理由です。

 例えば、「These Days」(1995年)。
 現在でもライブの定番になっている「Something For The Pain」やタイトルトラック「These Days」など気に入っている曲が数多く収録されています。
 しかし、アルバムの後半は、ほとんど飛ばしてしまいます。展開がタル〜く、好みの曲がないからです。

 揚げ句の果てに、「This Left Feels Right - Greatest Hits」は、視聴した上で購入しませんでした。
 過去の代表曲を大胆にアレンジし、再レコーディングしたベスト・アルバムでしたが、アレンジをイジリ過ぎて原曲の良さがなくなり「買っても聴かないだろうな」と思った次第。
 だから、「Bon Joviだから」という理由だけで、もろ手を上げて歓迎してきたわけではありません。

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 オリジナルとしては「Bounce」から約3年ぶりのニューアルバム、「Have A Nice Day」。今回購入した日本盤は本編12曲、ボーナストラック3曲の全15曲。かなりのボリュームです。

 このアルバム、実は昨年には出来上がっていたそうです。しかし、発売は今週。完成から1年以上もリリースしなかった理由は分かりませんが、昨年は4枚組ボックスセットを発売していたBon Jovi。セールス面を考えたと言えなくもない。これは勝手な推測ですが。
 日本盤の解説を読む限りでは、この間、4曲が差し替えられたそうです。アルバムから外された曲は、今回ボーナストラックとして3曲収録されています。

 ジャケットを見て、「なにこれ?」と言いたくはなりましたが、内容はどこから聴いても「Bon Jovi」。それ以外の言葉が見つかりません(笑)
 ピーカンの日に車で聴きたくなるような「アメリカンハードロックの王道、突き進んでます」的なアルバム。聴くなら、渋滞していない高速道路の上で。

 ただ、「You Give Love A Bad Name」や「Livin' On A Prayer」といった、これまでのBon Joviの定番に聴かれたインパクトのあるサビやギターのリフは聴かれません。「I'll Be There For You」や「Always」といったヒットしそうなバラードもありません。
 ロックにおいて、曲が後世に残るかどうかの分かれ目は、サビかギターのリフが印象的かどうか。その点を考慮すると、確かに印象に残る曲は少ない。だからと言って、駄作というわけではないので、誤解のないように。

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 とは言え、不満もしっかりあります。
 どうもディストーションをかけ過ぎたギターの音が耳障りです。そんなことを言ってしまう自分に、30代の切なさを感じたのは言うまでもありません (^_^;)

 耳障りと感じた理由を、少し考えてみました。
 確かに年は取りました(笑)。しかし、ギターの音が音のすき間を埋めてしまって、耳に馴染まなかったようです。もう少し、ギターの音を鳴らすところと抜くところを整理した方が、メリハリがついてギターの音がもっと印象に残ったと思います。
 Richie(Sambora)もいい加減ベテランなんですから、大人になりましょう(笑)

 楽曲自体は割りと揃っていると思いますが、数曲については、音だけを考えればアルバムの流れをやや単調にしてしまった感は否めません。曲順にしても、少し入れ替えた方がいいような。歌詞をじっくり読んだわけではないし、アルバムに必要と判断し収録されているわけですが、ちょっと考え過ぎた気がします。

 そう感じたのも、実はボーナストラックの3曲がかなり印象に残ったから。
 特に「These Open Arms」は、「どうしてアルバムから外したんだ?」と思えるくらい。アレンジがややクサイながらも、もう少し音をスッキリさせたら、アルバムの中盤でアクセントになったはずです。ボーナストラック扱いは惜しい。
 ただ、曲のタイトルは頂けません。
 なぜか。まず、Bon Joviには「In These Arms」というヒット曲があります。「Open Arms」からはJouneyを思い出してしまいます(笑) そう、ベタなのです。
 こう言っても、きっと若い人はピンと来ないんだろうなぁ(笑)
 ええ、ボクはBon Joviの全盛期を知っています。それはもう20年も前のことです(苦笑)

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 アルバムのオープニングを飾るファーストシングル「Have A Nice Day」は、どこかで聴いたことがあるメロディ。「こんな曲、前にあったよね?」とか、「U2のBeautiful Dayみたい」とか言ってしまう人は必ずいるはず(笑)

 しかし、不思議なものです。このワンパターンと思えるこの曲も、Bon Joviくらいになると、「これ、待ってたんだよね」と言わせてしまうところがスゴイ。
 ワンパターンな楽曲がファンに受け入れてもらえるようになったら、そのアーティストは間違いなく「ビッグネーム」だと思いますが、まさにそんな感じ。これを
 褒めてるのか褒めてないのか微妙ですか?(笑) かなり褒めてます(爆)